日本カルト協会

「世界平和統一家庭連合」解散命令に対する声明 


本日、東京地方裁判所は、世界平和統一家庭連合(旧世界基督教統一神霊協会、以下「統一教会」とする)につき、宗教法人法81条に基づいて解散を命じました。

日本脱カルト協会は、統一教会の被害当事者ならびに、長年被害者を支援して来た会員が在籍する会として、統一教会に対する解散命令に強く賛同し、解散命令請求に踏み切った文部科学省、文部科学省に協力した全ての人の勇気をたたえ、また、解散命令を出した裁判所の英断を支持します。

解散命令が確定すれば、裁判所が清算人を選任し、統一教会は清算人のもとで清算手続が行われ、被害者への賠償等がなされることが見込まれます。今回の解散命令は、統一教会による被害の甚大さに比べれば十分とはいえないまでも、被害者の救済に資するものといえ、評価できます。

統一教会は長年にわたり、多くの信者やその家族を経済的困窮に追い込み、家庭を崩壊させて来ました。人生の貴重な時間を奪われ、狂わされ、合同結婚により見知らぬ地で辛酸をなめる生活を送らざるを得なかった人々の叫びは、長期間にわたり放置され続けてきました。また苦悩のあまり声をあげることもできず、断たれた生命もありました。こうした悲劇は、統一教会が「宗教法人」として税制優遇等の地位を国から受ける一方で、正体を明かさず伝道活動を続けた結果でもありました。

 文部科学省が解散命令請求するに際し、多くの被害者が声をあげ、ヒアリングに協力しましが、統一教会は真摯に被害事実を受け止め、謝罪の姿勢を示すどころか、支援者や被害者に対して誹謗中傷や攻撃を続けています。当会は、統一教会に対し、強い憤りをもってこのような行為を非難すると共に、解散命令に至った経緯を真摯に受け止めることを強く求めます。

そして、解散命令が出た今、当会は、統一教会の被害救済及び同種被害の再発防止のために、別紙のとおり提言いたします。

2025年3月25日

日本脱カルト協会

代表理事 西田公昭

別 紙

提  言

 日本脱カルト協会は、国や地方自治体に対し、以下の施策を実現されるよう、提言いたします。

1. 解散命令請求に伴い、被害者への賠償に充てられるべき統一教会の資産が散逸しないよう、財産を保全する立法を早急に行うこと。

2.  統一教会は世界にネットワークを持つ宗教コングロマリットであり、合同結婚式や海外宣教のために海外在住を余儀なくされた日本人信者やその子ら(帰化や届出の不備により日本国籍を有しない者を含む。)は海外に居住しており、これらの者が生活に困窮したり、帰国を希望する場合には在外公館等を通じた支援が広く提供されるよう対策すること。 

3. いわゆる「二世」らへの対応について、昨年末に公表された児童虐待防止法の運用上のガイドラインに相当する文書[の範疇に留まらず、立法措置はもちろん、「二世」らがより具体的で実効性の高いケアやサポートを受けられるよう、民間との協力も含めた施策を策定、実行すること。 

4. なぜ人々を依存状態に陥れ、金銭や労働を搾取するような組織を作り得るのか、そのメカニズムの解明についての研究を大きく促進し、 国としての被害防止策を講じること。

 5. 統一教会による被害が長年にわたり発生し続けた背景等につき、徹底した調査を行い、今後、カルト団体による被害を防止すべく法を整備すること。 

以上


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